SAS Institute

SAS Instituteについて

SAS Institute（サス）は、アメリカ合衆国ノースカロライナ州に本社を構える、アナリティクスおよび人工知能（AI）に特化したソフトウェア企業です。創設以来、SASは統計分析システムを開発・提供してきましたが、近年ではマーケティングやリスク管理、サプライチェーンの最適化といった多様な分野へサービスを広げています。この会社の製品は、フォーチュン500企業の91%で利用されており、信頼性が高く、多くの企業や組織において重要な分析ツールとしての地位を確立しています。キャッチコピーは「The Power to Know®」。

歴史と発展

SASの起源は1960年代に遡ります。1962年から1964年にかけて、大学院生だったアンソニー・バールが開発したソフトウェアが基礎となります。さらに、ジム・グッドナイト博士が改良を重ね、1976年には正式にSAS Institute Inc.が設立されました。最初の製品 Base SASソフトウェアがリリースされたことで、SASは全米で広く認知され、1971年にはNASAのアポロ計画で使用されるなど、学界や業界での評価が高まりました。

その後、1980年代に入ると、SASは国際展開を進め、1998年には「米国で最も働きがいのある企業」としても名を馳せました。最近では、2020年には約30億ドルの収益を上げ、黒字を達成するなど、成長を続けています。

事業内容

SASの主力製品には、機械学習、ビッグデータ解析、予測分析が含まれます。特に医療分野では、臨床試験データの分析においてデファクト・スタンダードとしての地位を築いており、FDAなどの規制当局に提出されるデータ解析にもよく使用されています。

最新のプラットフォームであるSAS Viyaは、クラウドベースのソリューションで、大規模なデータセットを処理できる高機能なツールを提供しています。また、SASは大学との連携を強化し、人材育成のための「SAS Academic Specialization」という認定プログラムも展開しています。このプログラムは、大学の授業でSASを学んだ学生に対し、認定証およびデジタルバッジを発行するもので、企業への就職活動を支援するものです。

グローバルな拠点

SASは、日本を含む世界中に400以上のオフィスを展開しており、日本法人はSAS Institute Japan株式会社です。東京本社は港区六本木にあり、大阪支店も設置されています。日本国内では、滋賀大学や東京理科大学などがSASのソフトウェアを導入し、データサイエンス分野での教育に活用しています。

企業評価と文化

SASはその企業文化においても高く評価されています。「Fortune」誌のランキングでは、米国企業を対象にした「働きがいのある企業100社」に何度も選ばれるなど、福利厚生や職場環境の充実度は特筆に値します。特にGoogleの福利厚生設計においても、SASの取り組みが参考にされるほどです。

SAS Instituteは、アナリティクスおよびAIの分野で確固たる地位を築き、今後の成長と革新が期待される企業です。

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